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佐藤 聡; 真木 紘一*
Fusion Engineering and Design, 65(4), p.501 - 524, 2003/07
被引用回数:8 パーセンタイル:49.89(Nuclear Science & Technology)トカマク型DT核融合炉の代表的な設計例においてブランケットは、メンテナンスや製作性等の観点から多数のモジュールに分割されている。隣り合うモジュール間には幅数cmのスリットが存在する。スリットからの中性子ストリーミングにより真空容器再溶接部のヘリウム生成量や超伝導コイルの核発熱率や照射損傷等が増加し、基準値以上になる懸念がある。本研究では、スリット幅,ブランケットの厚さ及び組成,真空容器の厚さ及び組成,再溶接部のホウ素濃度をパラメータとした真空容器や超伝導コイルの核的応答に対する3次元モンテカルロ法による感度解析を行い、それらを関数としたスリットストリーミングに対する核的応答の簡易的な近似式を導出した。また導出した近似式を基に、遮蔽設計基準値を満足させるための遮蔽構造のガイドラインを明らかにした。
佐藤 聡; 中村 尚*; 西谷 健夫
Fusion Science and Technology, 43(4), p.559 - 568, 2003/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)DT核融合炉遮蔽ブランケット中の小口径ダクトからの中性子ストリーミングを3次元モンテカルロ法により評価し、冷却配管枝管プラグ部のヘリウム生成量を計算した。ダクト直径,ブランケット厚さ,プラグ中のホウ素濃度に対するヘリウム生成量の依存性を明らかにするとともに、それらのパラメータを関数とした簡易近似式を確立した。また、ヘリウム生成量の、ブランケット組成依存性も明らかにした。簡易近似式を応用し、遮蔽設計基準値を満足するための遮蔽構造ガイドラインを明らかにした。
石塚 悦男; 河村 弘; 寺井 隆幸*; 田中 知*
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.1401 - 1404, 2000/12
被引用回数:7 パーセンタイル:46.88(Materials Science, Multidisciplinary)ベリリウムからのトリチウム放出挙動に関しては、これまでに表面酸化膜及び結晶粒径の効果について報告されているが、ヘリウム生成量及び照射損傷量の効果については報告されていない。このため、ヘリウム生成量及び照射損傷量が異なる条件で照射したベリリウム微小球からのトリチウム放出特性を調べた。照射条件は3種類で照射温度が445,383,616()、各照射温度に対応するヘリウム生成量及びdpaが7,5.1,10(10appmHe)及び4,8.6,6である。これらの試料を用いてトリチウム放出率測定試験を行った結果、照射損傷が大きい試料の見かけのトリチウム拡散係数が大きくなることが明らかになった。
石塚 悦男; 河村 弘; 寺井 隆幸*; 田中 知*
Fusion Engineering and Design, 51-52, p.123 - 126, 2000/11
被引用回数:4 パーセンタイル:32.52(Nuclear Science & Technology)ベリリウム微小球は、核融合炉ブランケットの中性子増倍材として検討されているが、これまでに中性子照射データがほとんど取得されていない。このため、回転電極法及びMg還元法で製造した2種類のベリリウム微小球を中性子照射し、機械的特性を調べた。照射条件は、ヘリウム生成量が約500appm、dpaが約8、照射温度が400,500,600Cである。この結果、2種類のベリリウム微小球の強度はほとんど変わらないことが明らかになった。また、回転電極法で製造したベリリウム微小球に関して、これまでのデータと比較したところ、ヘリウム生成量が約500appmの場合、dpaが4から8になると強度が約7割に低下することが明らかになった。
佐藤 聡
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(Suppl.1), p.253 - 257, 2000/03
国際熱核融合実験炉(ITER)遮蔽ブランケットに対して、3次元モンテカルロ、1次元及び2次元S法を用いて遮蔽解析を行い、超電導トロイダルコイルの核発熱、絶縁材の吸収線量等の核的応答、ブランケットや真空容器再溶接部のヘリウム生成量を評価した。ITER遮蔽ブランケットはモジュール構造を有しており、隣り合うモジュール間には、幅20mmのスリットが存在する。また、遠隔機器によるブランケット冷却水配管の切断・再溶接のための、直径30mmの貫通孔が存在する。これらのスリットや貫通孔からの中性子ストリーミング解析を行った。本解析結果から、遮蔽設計基準値を満足するブランケット真空容器の遮蔽構造案を見いだした。
高橋 博*; X.Chen*; 佐々 敏信; 滝塚 貴和
JAERI-Research 99-011, 63 Pages, 1999/03
日本のオメガ計画では、高速未臨界炉心を用いてマイナーアクチノイドを消滅する加速器駆動消滅炉が研究されている。このシステムでは、構造材への中性子と荷電粒子による放射線損傷が既存の核分裂炉よりも深刻な問題となる。消滅炉の放射線損傷を評価することは、損傷が主として材料の寿命を決定するため、特に重要である。構造材の損傷はモンテカルロシミュレーションコードLAHET,HMCNP及びHTAPEを用いて検討した。そのため、原子の弾き出し(DPA)、水素、ヘリウムの生成率及びエネルギー損失が評価された。DPA断面積の計算にはTRANSX2コードを使用した。これらの値を使用して、システムの放射線損傷と発熱密度を計算した。ターゲットやビーム窓の頻繁な交換は、システムの稼働率を低下させる可能性があるが、浅い未臨界度を選択すればこの問題は解決される。一方で小さいDPA断面積を持つ構造材の調査も必要である。
佐藤 聡; 飯田 浩正; R.Pleuteda*; Santoro, R. T.*
Fusion Engineering and Design, 46(1), p.1 - 9, 1999/00
被引用回数:6 パーセンタイル:45.57(Nuclear Science & Technology)モンテカルロ法による3次元遮蔽解析コードを用い、ITER遮蔽ブランケット・モジュール内の貫通孔やモジュール間のギャップに着目した遮蔽解析を行い、モジュール及び後壁中のヘリウム生成量を評価した。現標準設計に基づく構造では、ヘリウム生成量に関する基準値を冷却配管で約4倍、後壁で約2倍上回ることが明らかになった。そこで、モジュール内のステンレスと水の割合を変えた場合、モジュールの厚さを増加した場合の評価を行い、モジュールの厚さを増加させる一方でステンレスの割合を少なくすることにより、遮蔽性能とモジュールの重量(遠隔保守機器の可搬重量)の両者の制限を満足する構造案を見いだした。また後壁に関しては、ギャップ部に厚さ50~300mmの遮蔽体を設けた場合の解析を行い、約200mm程度の遮蔽体を追加設置することで、後壁のヘリウム生成量は基準値以下に低減できることがわかった。
渡辺 勝利; 小川 豊; 菊地 正彦; 近藤 達男
JAERI-M 8807, 16 Pages, 1980/04
通常のハステロイ-Xおよびボロンを低減化した同種材料について、照射による高温の機械的性質、特に延性の低下について試験温度、歪速度および熱中性子照射量依存性を調べた。ヘリウム生成に関しては、B(n、)Li反応に加えて、比較的近年になって発見されたNi(n、)Ni(n、)Fe2段反応にも着目して脆化との関係を検討した。さらに、一連の結果から延性低下のなくなるしきい照射量および高照射領域における延性についても推定を行ってみた。得られた結果を要約すると次のようである。(1)照射により高温延性は著しく低下し、しかも試験温度の上昇とともにその傾向は強まった。(2)照射材の延性は歪速度の減少とともに低下した。(3)ヘリウム脆化は照射量が増加するにしたがって2Bの核変換によるHeの寄与から、Ni2段反応によるHeの寄与が支配的となる。(4)熱中性子照射量が10n/cmに達すると破断延性は900Cにおいて約3.5%以下、1000Cにおいては約1.5%以下となることが予測された。
渡辺 勝利; 小川 豊; 菊地 正彦; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告, 20(3), p.283 - 290, 1979/00
中性子照射したハステロイ系合金の高温延性の低下はこれまで主としてB(n,)Liなる核変換反応によるヘリウム生成との関係から検討されてきた。しかしながら、比較的高い熱中性子照射領域での結果はこの関係からのみでは説明できない。これには上の反応に加えて、Ni(n,)Ni(n,)FeなるNi2段反応を導入することにより説明が可能であることを実験データと対比させて検討した。これにより比較的高い熱中性子照射領域での高温延性の低下を矛盾なく説明できることを明らかにした。